皆さまどのようなクリスマスをお過ごしですか？

今年も残すところ僅かとなり、本日が今年最後の舞台となりました。

今年最後の出演は新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。
かの宮崎駿監督によって描かれた全七巻の漫画を原作として、その全てを昼夜に渡る通し狂言として歌舞伎化するという、驚くべき企画です。

アニメーション映画としても有名なこの作品ですが、アニメーションになったのは前半のほんの一部分でしかないんですよ……！

率直な所、こんな企画があるらしいと小耳に挟んだときには他人事のように驚いておりましたので、まさか親子揃って出演することになろうとは思ってもみませんでした(@_@)

私のお役はアニメ版には登場していない、ケチャ という女の子。

土鬼(ドルク)諸侯国連合の一部族であるマニ族の娘で、部族を束ねるマニ僧正 に仕えています。

僧正が命を賭して逃がしてくれた後はその遺志を胸に、ユパ とアスベル と共に行動していきます。大きな帽子を被り、どこかエキゾチックな拵えで、自分としても見慣れない感じがしています(笑)当初マントは無かったんですが、舞台が金色だったり、アスベル が玉子色を着ていたり、こちらが黄色ではない方が良い場面がありましたので、追加してもらいました。

このケチャ 、気は強いものの、立場も弱く力も無く、ただただ戦争に流され、その中でストレートに悲しみや怒りを抱いています。
使命を帯びている訳でも、理想を追い求めるでもなく、ただただ生き抜くことに精一杯で、苦しみながらも営みを続けていかなくてはならない……

そんな、ナウシカ 達の様な凄い人にはなれない、この荒廃した世界における庶民の象徴の様なお役かなと思っています。

私が庶民だとしたら父のお役は王様( ・`д・´)民を苦しめ、土地を荒廃させる戦争を始めた張本人、トルメキア王国の国王、ヴ王 様。
非道な手段を多数用いて王位につき、この世界を我が物にしようとしています。僕の拵えは原作に近い物なのですが、ヴ王 の拵えは少し原作から離れ、どこか信長をイメージしたものになっているんだとか。歌舞伎では高貴な人の部屋着としてお馴染みの小忌衣もヴ王 仕様なんです。
ビロード地に竜の描かれた錦、ゴールドのチェーンをあしらった強い雰囲気のものになっています。また、トルメキアに属する人は鱗模様がどこかにあしらわれているのも特徴です。

原作ではでっぷりとした巨漢ですので大分イメージが違いますが、そんな拵えの父も見てみたかったかも……?(笑)

さて、そんな『風の谷のナウシカ』。
ご承知の通り、興行３日目に菊之助のお兄さんがお怪我をなさいました。

演出面での変更等が多数なされましたが、その後は事故、怪我人も無く千穐楽の朝を迎えられ、心からホッとしています。

最後の一回、無事に終えられますように……！
皆さんもお祈りくださいm(_ _)m

そして、ジブリの森を抜けたら、いよいよ浅草で『寺子屋』『太功記』『七段目』の三つの名峰に臨みます。
皆さまのご声援が何よりも励みです。
是非ともお運びくださいませ！

最後についでながら宣伝させていただきますが、明日はニコニコ生放送に出演させていただきます！
こちらもよかったらご覧くださいね( ´ー`)

米吉でした。