ここで改めて『趣向の華』のお話をさせていただきたいと思います。
19日のプレ公演では『新花形道成寺抄』と題しまして出演者7人で道成寺をパートごとに素踊りで踊らさせていただきました。
三人が娘道成寺。
二人が奴道成寺。
男女道成寺が一組。
さて、私が踊らさせていただいたのは金冠
本来は赤の着付けに、金色の烏帽子をかぶる娘道成寺の一番最初のところです。
女形を志す身であれば誰もが憧れる道成寺。
その中でもとても重要と言われている所です。
藤間の御宗家でだいぶ前からお稽古していただきましたが、率直に言って、本当に難しい。
ただでさえ踊りが不得手な私。
そんな私が踊らさせていただいていいのか、という思いがずっとありました。
躍りといっても最初はお能の様式を取り入れたところ。
張り詰めた緊張感がなくてはならないと教わりました。
また7人の中でもトップバッター。
責任も重大です。
しかも、当日の昼に行われた舞台稽古ではお扇子を落とすという不手際まで!
本当に本番前に緞帳の後ろで控えているときの気分と言ったら……!
すぐ後ろで鼓を打ってくださっていた染五郎の兄さんに
「落ちたら拾ってあげるから!」
と、励まされておりました……
なんとかお扇子を落とすこともなく踊り終え、男寅くんにバトンタッチすることができました。
踊ってみて思いましたのは、先輩方はよく道成寺を全段通して踊れるな、 と。
ぼくなんか金冠だけでヘトヘトになってしまいました(笑)
でもそれ以上に道成寺に対する憧れはなお一層強くなりました。
この『道成寺抄』には特別ゲストも!
『趣向の華』ではお馴染みの
梅枝兄さん、歌昇兄さん、萬太郎兄さん、新悟兄さんの四人の方々が、種之助の奴道成寺の部分に所化として特別出演!
お出になられた時のお客様からの歓声と拍手には感服いたしました。
あんな風に、出てきただけでお客様に喜んで頂ける役者になりたいものです!
20日のお芝居のお話はまたいずれ……
楽屋の様子
そういえば、トークショーでのじゃんけん大会でやらされた女形じゃんけん恥ずかしかったなぁ……
米吉でした。