すっかり冬らしくなり、京都の厳しい寒さに耐える毎日です。
気がつけば今月の興行も半分を過ぎました。
今回の顔見世興行は約2週間ですから、あっという間です。
今月は第三部で『末広がり』という踊りで女大名を務めさせて頂いております。
前回もお話しましたが、この『末広がり』はほぼ新作と言える作品です。
今回南座で上演されるにあたり、松羽目物の舞踊劇として藤間のご宗家が華やかで賑やかに作ってくださいました。
台本も今回新たに作られたものでして、台詞の中で「 近頃流行る病… 」と、時事ネタのような文句も織り込まれているんです。
こちらが、僕が勤めさせていただいている女大名。
松羽目物に出てくる大名を女に置き換えた、ということになります。
今回は恋する女大名ですので、鬘を普段より派手な、いわゆる赤姫の飾りで勤めさせていただいております。 紫の素襖を脱ぎますと、中は蓬莱山で大変華やかで、おめでたい図案。
品格と可愛らしさとを両立させ、キツくならないように気をつけなければならないなと感じています。
今回、ほぼ新作として上演されるにあたって、お扇子も新たに誂えて頂きました。
表は桜、裏は貝合わせの絵柄で赤地の部分には金で桜の葉があしらわれています。
実は、藤間宗家のご所蔵の多くの名扇子からそれぞれ図案を拝借したんです。
華やかで可愛らしい素敵なお扇子に仕上がりましたので、その辺りもぜひご注目ください!
さて、この辺で私の召使をご紹介しましょう。
太郎冠者こと、尾上右近さん。
同級生の彼と、こういった状況下での顔見世で、踊らせていただけること、嬉しく、ありがたい限りです。
彼は今回、傘に毬を乗せて回すという太神楽の技を披露していますが、それも元々の振りにあったりする訳ではなく、今回のためにわざわざ本職の方から教わったんだとか。
彼の着ている肩衣も彼が自ら筆を取った物ですし、『吉田屋』においても栄寿太夫として清元も語っています。
演じ、踊り、回し、描き、語り、八面六臂の活躍とはまさにこの事でしょうね…!その活躍に免じ、この顔の近さは許してあげましょう(笑)
千穐楽まで僕も一球入魂で、無事に彼の傘に毬を乗せ、しっかりキャッチしていきたいと思っております(^_^;)
そんな同級生のケンケン こと右近さんとは、また来年三月に京都南座でご一緒することになりました。
こんな若手だけでの公演はコロナ禍以降初ですし、こんな少人数なのはそもそも初!
まだ演目は決まっておりませんが、コロナに負けず、このありがたい勉強の機会を、楽しみにしたいと思っております( ̄︶ ̄)
とはいえ、それはまだ来年のお話。
まずは来る年の末広がりを祈り、皆様に少しでも明るく楽しい気分をお届けできるよう千穐楽まで精一杯勤めて参ります!
米吉でした
女大名、先週日曜と昨夜拝見しました
可愛く品良く、そしてはんなり色もあり たっぷり堪能いたしました。
3月まで各場ご出演が叶い、ほんとに嬉しい限りです?
どうかお身体大切に?✨
南座の顔見世興行をご観劇ありがとうございました!
また3月もお世話になります。
Aプロ、Bプロに、奇数偶数日で配役の変わる、ちょっとややこしい公演ではございますが、何卒四度のご観劇をお願い申し上げます(笑)
晴れ間に降る雪と一緒に見る京都の町並みは、とてもきれいでした。寒いのも心地よく感じられました。秀太郎さんもご復帰され無事に興行が終わり、本当に良かったです。
末広がりは、とっても楽しく、かわいらしいお二人のやりとりについ微笑んでしまいました。右近さんの傘での華麗な技は、お見事で観客みんなで盛り上がってましたね。
また、観れる機会があるといいなあと思いました。
このお扇子、とても拵えと合っていて素敵でした。一段と舞台を華やかにしてくれているように思えました。
また、来年、歌舞伎座での浅草歌舞伎の若手の皆様での舞台、どんなふうになるのか楽しみにしてます。
一月、歌六さんを拝見出来ないのは、とても残念ですが、三部制になっても、平穏に歌舞伎公演が行われることを願っております。
南座も今からどんな演目をされるのか楽しみにしてます。
クリスマスもまだですが、
米吉さん、よいお年を。
色々とバタバタした顔見世興行でしたが、千穐楽は一座全員無事に終えることができました。
本当にありがたいことです。
末広がりもお楽しみいただけたみたいで何よりでございます。
再演の機会がありますかどうか…
そんな機会に恵まれ、また務めさせてもらえればこんなに嬉しいことはありません。
来年は歌舞伎座の序幕から始められるというとてもありがたいスタートです。
今年の歌舞伎がどんなふうに推移して行くのか、どうかお見守りください!
何卒よろしくお願いいたします!