三月花形歌舞伎も残すところ数日。
公演期間の短さを考えれば当たり前のことですが、本当にあっという間に終わってしまいそうです。
昨年久々に行われた3月の南座での若手公演。
今年も引き続いて公演が行われたこと、参加させていただけていること本当にありがたく思っています。
昨年同様に橋之助くんとタッグを組んでお芝居をできることもとても嬉しく思っています!
今年も昨年同様、Wキャストでお芝居をお届けしており、今年は『番町皿屋敷』と『芋掘長者』をお目にかけています。
私は午後の部の『皿屋敷』でお菊 を、『芋掘長者』は午前はお姫様の緑御前 、午後は腰元の松葉 をそれぞれ勤めさせて頂いております。
今回、時蔵の叔父に教えていただきました。
叔父は京都まで足を運んでくださって、お稽古を見てくださいました。本当にありがたかったです。
岡本綺堂が皿屋敷伝説をもとに、怪談ではなく恋愛劇として、殺す方にも殺される方にも同情できる作品を、という気持ちで書いたという新歌舞伎の名作。
今回は新歌舞伎の難しさを改めて実感しました。
リアルだけども、歌舞伎でなくてはならない、だけど歌舞伎なりすぎてもいけない、大げさな演出のない科白劇として成立しているところも難しさの一つではないでしょうか…
出てきたときから思い悩んでいて、最後の死ぬときまでずっと精神的にしんどいものがあるお役ではありますが、やらせていただいてその魅力にも改めて気づくことができました。
お菊さんは衣装も素敵です。
伊予染に、白菊の裾模様。
帯は黒地に金銀で八重桜が刺繍してあります。
シンプルだけど華やかさもあり、寂しさもある、この役らしい拵えですよね。
残り僅かとなりましたが、お菊 の気持ちの揺れ動きが、ブツ切れにならないように積み重ね、あの行動に繋がり、そこから最終的に恋の成就を死をもって確かめていく、その心情をお客様にお伝えできるよう精一杯勤めたいと思います。
打って変わって明るく楽しい『芋掘長者』
舞の上手を婿に迎えるという荒唐無稽な世界観ですが、その世界観にあうように、ふんわり明るく楽しくも、松羽目物らしく折り目正しく勤めるよう心がけています。
緑御前は典型的なお姫様。松葉も典型的な腰元の形です。
今月はこの二役を壱太郎兄さんと交代で勤めておりますのでせっかくだから雰囲気を変えようと、お姫様は頭の飾りがほんの少し違いますし、帯の色も黒と白と変化をつけています。
また、そもそも衣裳会社が兄さんと僕と違うので、お姫様の着付の刺繍や腰元の着付の地色なんかも違っているんです。
そんな見比べも楽しんでいただけたら良いなと思っています。
また、お芝居以外のところでも少しでも盛り上げよう、見ていただこうと、出演者、スタッフ一丸となって色々なことに一生懸命取り組んでまいりました。
色々なご意見のあることは承知ではありますが、今、自分たちに何ができるのか、どうしたらいいのか、無我夢中に、ひたすらにやるしかない、との思いから生まれたことです。
それを色々な方が様々な形でサポートをしてくれました。
本当に本当にありがとうございます。
こんな状況下に公演ができること、何よりもお客様が足を運んでくださることに心よりの感謝を申し上げ、この後もこの南座での花形歌舞伎が続いていけるよう精一杯精進していこうと思っております。
何卒よろしくお願いいたします。
とはいえ、あと2日ございます!
今できることを精一杯やりきりたいと思います!!
さぁ!今日もお皿割るぞー!(笑)
米吉でした。
お忙しい中、投稿ありがとうございます。
コロナ禍ではありますが、昨日、鑑賞できました事を大変嬉しく思っております。
『皿屋敷』、観る前は、怪談のイメージが強かったのですが、ホント恋愛劇ですね。
壱太郎さんが、『悲劇ではない純愛』だと仰っていた意味がよく分かりました。
米吉さんのお菊さん、出てきた時から思い悩んでいる様子がよく分かり、気持ちが分かるわ、何だか切ないなぁとお話の中に、すぅっと入っていけました。
『芋掘長者』は、明るく楽しいですね!
最近、いろいろとあって塞ぎ込みがちでしたが、少し元気になりました。
出演者皆さんが、一生懸命取り組んでらっしゃる様子に、胸が熱くなりました。
お写真綺麗ですね!待ち受けにします^ ^
話は変わりますが、いつも一緒に観る母が、ここ最近米吉さんが出て来られると、私の方を見て、『よねきっつぁん!』と、嬉しそうに小さな声で言います。
周りの方に迷惑になるから、『あかんで』って言っても、つい出てしまうのか、困りものです(-_-;)
P.S.先程送信しましたが、返信メールが届かず、再送信しました。
同じ内容です。重複しておりましたら、申し訳ございません。
お返事遅くなりすみません…
3月の南座での公演をご観劇いただきありがとうございましたm(_ _)m
綺堂の番町皿屋敷は、皆様のイメージする皿屋敷とは大分イメージが違いますね。
現代ではなかなか理解の難しい筋立てではありますが、お互いに直向きに愛し合っていたからこその悲劇、哀しい結末でもその純粋な愛情が伝わればいいなと思い勤めさせて頂きました。
その後に愉快な芋掘長者が上演されたのも、明るい気持ちでお帰りいただけますし、バランスも良かったのではないかと思います。
お母様に覚えていただけて嬉しいです!くれぐれもよろしくお伝えくださいませ!