夏らしさはすっかり落ち着き、過ごしやすい日々が続いていますね。

首相交代、四連休、台風と世の中は目まぐるしい様子ですが、私は穏やかな毎日を過ごしております。

不思議とお休みしていた頃より何故か落ち着いた感じがしています(￣～￣)

さて、お陰さまで歌舞伎座九月興行も今日まで何事もなく、数日を残すばかりとなりました。

約半年ぶりとなるお芝居は様々な感染対策を徹底した、今までとは違う体制です。
どことなく違和感を感じてはいるものの、この体制にも慣れてきました。

今月の勤めさせていただいておりますのは『寿曽我対面』の化粧坂少将  。

このお役は昨年5月以来の3度目のお役となります。

典型的な傾城の拵えで、大磯の虎 が下げ髪なのに対し、少将は伊達兵庫です。
夢を壊すような事をあえて言いますと、久々の兵庫髷はいつもに増して重く感じました(￣▽￣;)

歌舞伎のエッセンスを凝縮し、幕切れの決まりを鶴亀や富士山、松に見立てるなど、おめでたい物もふんだんに盛り込まれた祝祭劇とも言える演目。

そんなおめでたい演目でお客様と久々に 対面 できますことは大変嬉しいことですね！

……下らないことはさておきましても、コロナ禍の中、再開したばかりの歌舞伎座でこの演目を上演するのはきっと意義のあることではないかと感じています。

そんな再開したばかりの歌舞伎座は、大向うの声も無く、コロナ対策のために間隔を空けた客席にはどうしても寂しさを感じてしまっています。

ですが、こんな情勢下では、来たくても来られないお客様がたくさんいることは事実で、空いているのはそんな方々のお席なんだと思うようにしています。

この情勢下では、そんな客席を越えた、その向こう側にいるお客様にも向けて日々の舞台を勤めることも大切なんだと肝に銘じる今日この頃です。

そして何よりも、こんな世の中にも関わらず歌舞伎座にお運びくださってるすべてお客様にはいつもに増して感謝の気持ちでいっぱいです。

そうしたお客様のお陰で舞台に立てる幸せを噛み締め、感謝の気持ちをもって真摯に舞台を勤めることが何よりも大切で、恩返しなのだということも改めて実感しております。

そう！我らが某取締役のポリシーである、

「施されたら施し返す！！」

の精神です！！

そんな取締役さんが大活躍(?)のドラマの最終回の前日が今月の千穐楽。

無事に我々が千穐楽を迎え、来月以降もつつがなく公演が行われ、その結果一日も早く劇場に元の賑わいが戻ってくることを心から祈っております。

そして、千倍返しが成功することも……(笑)

劇場はまだまだ再開したばかり。
引き続き末長いご後援のほど、何卒お願い申し上げますm(_ _)m

米吉でした。