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米吉ブログ

お早さん

お陰さまで新春浅草歌舞伎の千穐楽をなんとか終えることができました、ありがとうございました!

間もなく1月もおしまい。
1月が終わる前に駆け込みで二部で勤めさせて頂いたお役のお話をさせていただきます!

 

勤めさせて頂いたのは『双蝶々曲輪日記 引窓の段 』の、女房 お早

 

元々は と名乗る遊女でしたが、恋人の南与兵衛とめでたく結婚し、名をお早 と改め、甲斐甲斐しく夫と姑に尽くす日々でございます。

このお話は中秋の名月の頃のお話ですから、十五夜飾りを飾ります。

客席からは全部は分からないかもしれませんが、お団子に栗にお芋、ススキをお供えしているんですよ!

そんなお早は、初代吉右衛門のおじさまの時に曾祖父 時蔵も度々勤めていて、写真が残っておりましたので今月もお守りとして飾っておりました。

伊予染め の着付に裾を引いています。

柄が格子 だったり、裾を引かなかったり、色んなやり方がある中で、この曾祖父の写真と同じ拵えだったのはなんとなく嬉しいものでした。

さて、この『引窓』というお芝居は悪人の出てこない、とても優しく、人の心の機微をうまく描いた、素敵なお芝居。

今回、いつかは勤めてみたいと思っていたお早のお役を勤める機会をいただき、お喜世 と同じく雀右衛門のおじさまにご指導いただきました。

伊予染め に裾引きというのも京屋さんのなさり方です。

前半はウキウキと楽しく、後半はしっとり悲しく勤め、どことなく元の遊女としての色気も醸し出さなければなりません……

また、通して細々としたお仕事が多く、まるで後見。

そういった所を落ち着いて丁寧に、段取り良く、回りの方のやり易い様に……
なによりも《 お早 》としてやることは本当に至難の技で、なんでもなく先輩方がなさってることの凄さを改めて感じました。

そんな難しさに直面しながらも、日々その素敵さも感じることができ、お早 というお役がとても好きになりました!

またいつか勤めさせて頂ける様に精進して参りたいと思います!!

 

 

そんな日々を手を携えて過ごしてきた旦那様。
支えてくださったお姑様。

不甲斐ない妻でしたが、素敵な家族に恵まれて幸せな一月でした!

ありがとうございましたm(__)m

 

 

そんなこんなで二年ぶりの浅草での日々を終えました。

若手主体の公演その物も二年ぶり。
思い悩みながらも、みんなでどこか楽しみながら、過ごす日々はやっぱりかけがえのない時間です。

 

そういえば、千穐楽の日に、僕らは浅草を終えてから一年が始まるんだ、と言う様なことを巳之助兄さんがお年玉挨拶で仰っていました。

本当にその通り。

明日から始まる『今年』を精一杯過ごし、少しでも成長した自分でまた浅草へ帰ってきたい!

そして、拙い我々の芝居を観に来てくださり、応援し、支えてくださる皆様に喜んでいただけるお芝居をお届けできる様に精進して参りたいと思います。

 

また、この場を借りてお忙しい中ご指導くださった先輩方に心よりお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。

教えてくださったことを大切にこれから先も進んで参りたいと思います。

 

 

そして最後になりましたが、ご来場くださいましたお客様。
本当に本当にありがとうございました!!

また来年、騒がしいほど賑やかなこの街に戻ってこれることを心から祈っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米吉でした。

お喜世様

◇雑誌掲載情報◇

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コメント

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  • コメント (6)

    • みつき
    • 2018年 2月 01日

    お疲れ様でした。
    米吉さまのお早、とても素敵でしたよ
    色気も感じましたし、所作がとてもしなやかでうっとりとしてしまうくらいでした!

    初めての浅草歌舞伎で2回も見に行くことができ、とっても良い1年になりそうです!
    来年も浅草歌舞伎に来たくなりました!!

    2月は歌舞伎座昼の部に伺います
    また米吉さまを拝見できることとても心待ちにしてますね

    • そんな風に仰っていただき、ありがたく、励みになります!!

      来年、私が浅草歌舞伎に出させていただけるかは分かりません。
      もし僕がいなくても、浅草歌舞伎を何卒よろしくお願いいたします!!

      また歌舞伎座でお目にかかれますのを楽しみにしております!

    • りお
    • 2018年 2月 06日

    米吉さんのブログ、いつも楽しく拝見させていただいてます。2/10(土)昼 夜 歌舞伎座チケットを手に入れたので、それを励みにして、この1か月、雪かきや、風邪を切り抜けてきました。売店の奥で、化粧坂少将の写真販売してるといいな、と、思っています。

    • いつもありがとうございます!
      このひと月のご苦労が報われる舞台だったでしょうか?

      昨日ですと残念ながらまだ舞台写真は販売されてませんでしたよね…
      楽しみにしてくださったのに申し訳ありません。

      来月になりましたら歌舞伎座タワーの楽座という売店にて前の月の舞台写真が販売されますので、お時間のある時にでものぞいてみてください!

    • chie
    • 2018年 2月 07日

    お供えもの、栗にお芋だったのですね。やっぱりそこまでは、判別できませんでした。三代目時蔵さんの裾をひいているお写真格好いいですね。昔のプロマイドの雰囲気や風情は、やっぱり素敵ですね。

    「引窓」好きなお話なので、とても楽しみにしてました。お互いが思いあって、またその思いを汲んで、また
    思いあって、もどかしくもありながら本当に優しいお話ですよね。角力場を観る機会が多かったので、初めて観た時は、雰囲気の違いに驚きながらもとても好きになりました。
    米吉さんのお早さんの廓言葉かわいかったです。甲斐甲斐しく世話する様子や、旦那さまとのやりとりもほっこりしました。それぞれの気持ちにぐっと心を持っていかれながら、悲しくもありつつ、家族の絆に心あたたまりました。やっぱり素敵なお話だなあとまた一段と好きになりました。

    三年前の浅草歌舞伎の世代交代、今年は、その年とほぼ同じ方々でうれしかったです。それぞれの演目、本当にとても楽しく、それぞれのお役者さんにお役が似合っているなあと思っていました。三年の年月とともに、みなさまの積み重ねられた経験を感じながら、浅草歌舞伎がまた大好きになった一ヶ月でした。

    願わくば、米吉さん、同じみなさまでまた来年観れたらうれしいです。米吉さんのお早さん、また観れる日を心待ちにしてます。歌昇さんとの夫婦もとてもお似合いでしたが、どなたと夫婦になるのかも楽しみです。

    とても寒い日々が続いていますので、お体にはお気をつけくださいね。

    • ちょうど秋の行事ですので、収穫したものをお供えしていたそうなんです。
      曽祖父の写真、とても素敵で、写真からも伝わってくるこの雰囲気に少しでも近づきたいなと思いながらひと月勤めておりました。

      仕事も多く出ずっぱりのお役ではあるのですが、物語の素晴らしさも相まって本当に好きなお役、また務めてみたいと思うお役です。
      次の旦那様、お姑さん、来訪者はどなたになるのか。僕自身もまだ見ぬ方々が楽しみでなりません。

      浅草も世代交代から早くも四回目。
      これからも若手の登竜門といわれる公演である様に我々も精一杯勤めていかねばなりません。

      今後とも浅草歌舞伎を宜しくお願い致します!

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