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米吉ブログ

四の切

 


 

先日は『吉野山』のお話をさせていただきましたので、今回は『四の切』の静御前のお話を…

吉野山から拵えを変え、通称“虫喰 ”と言われる大変華やかな柄のものに。

草花の上に縫われた金糸の霞の模様が、虫に喰われたように見えるから、と言うユニークな由来なんです(笑)

頭も、房を外した普通の吹輪です。

今回、初役で勤めさせて頂くにあたり、玉三郎のおじさまから本当に細く教えていただき、南座に入ってからも、何度も何度もお稽古、本番の映像を見ていただきながらご指導いただきました。

本当にありがたく、仰って頂いたこと一つ一つを大切に日々の舞台を勤めるよう心がけています。

 

拵えをして、出ていって、やる事をこなしているだけでは、何も見えてこない、肝に銘じなくてはなりません。

また、この『四の切』義経が引っ込むまでの前半を本行の文楽の方では通称『八幡山崎 』と言うそうです。

これは忠信の道中での不思議を物語る台詞の中に出てくる文句です。

本行ではこのの長台詞を大変重要視して、素敵な節がついているんです。

つまり、その前半部分で静が不思議な話を舞台の上からお客様に実感してもらう事が重要なんだと教えていただきました。

そのうえで、姫の姿でありながら、姫ではなく白拍子
芸事の嗜みがあり、武芸にも通じていて、忠信にも砕けた態度で接する…

そのため、静は普通の赤姫よりも振袖や帯が短いんです。

この曽祖父の写真をご覧いただくとよくわかると思います。そうした白拍子らしさがどこかに見え隠れしなくてはならない、大変難しいお役なんだと感じています。

 

僕が静を勤めるBプロの忠信は橋之助くん。

常日頃からご一緒することのそれ程多くはない間柄ですが、弟と同い年の彼と静と忠信で、一緒に舞台を勤められることは、とても嬉しく感じています。

彼の初役の忠信が、大船に乗ったような気持ちで勤められる静でいてあげられていないのは不甲斐なく思っております。

ですが、ともに手を携えて荒波を越えていけるよう、そんな心持ちで日々勤めています。

 

初舞台を踏んだ2000年7月の歌舞伎座で、猿翁のおじさまの忠信宗十郎のおじさまの義経、そして、先代芝翫のおじさまの静御前で上演されていて、その時の舞台が幼心にも強く記憶に残っています。

その時の静を勤めていたおじさまのお孫さんと、そのお役を共に初役で勤める事になるとは、不思議なご縁ですね。

 

残りわずかとなりましたが、日々の舞台を感謝し、彼の初めての『吉野山』と『四の切』に少しでも力を添えたいと思います。

 

 

 

米吉でした。

 

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義経

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コメント

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  • コメント (6)

    • えり
    • 2021年 3月 18日

    先日、2回目の観劇に行かせて頂きました!
    今回の席は思っていたより良い場所で、肉眼でお着物の柄や演者さんのお顔が見える所でした。なので、花道から米吉さんの静御前が登場した時は近さと可愛さに震えました。゚(゚´Д`゚)゚。

    観終えた後には「これもう1回観たい!」欲が止まらず、勢いで千穐楽のチケットを取ってしまいました(笑)もう一度、米吉さんの静御前、観に行きます!(笑)

    千穐楽まであと少しですが、怪我なく無事に終えられますよう。

    • お返事遅くなってしまってごめんなさいm(_ _)m

      三月花形歌舞伎、度々のご観劇、本当にありがとうございました。
      お陰様で華々しい千穐楽を迎えることができました。

      ありがとうございました!

    • たけちゃん
    • 2021年 3月 18日

    今回は、『四の切』の静御前のお話をありがとうございます!
    『吉野山』のと比べますと、お柄が華やかですね。
    〝虫喰 ”と言われる由来、ユニークですね。確かに、納得できます(笑)
    米吉さんのブログを読みながら、先日拝見しました壱太郎さんの静御前を思い出し、衣装も振袖や帯が短いところや、立ち振る舞いからも、静御前は、お姫様ではなく、白拍子である事を再認識しました。
    お疲れのところ、いろんなお写真を上げながら、ご説明をいただきまして、ありがとうございます!
    鑑賞前に予習ができ、より一層作品を楽しむ事ができそうです^ ^

    追伸 声のケアに関しての質問にお答えいただき、ありがとうごさいました(^-^)

    • 返信が遅くなり、失礼致しました。

      吉野山もいろいろな衣装のパターンがあり、虫喰の柄でおやりになる方もいらっしゃいます。
      吉野山と四の切が続いている時と、単体で上演される時とでは拵えに対する考え方も変わるものですし、本当にその時々によって、なんですね。

      このブログで皆様が少しでもお芝居をより良く楽しんでいただけているのであれば幸いです。

    • 2021年 3月 23日

    お疲れ様でございました。無事千穐楽まで走りに抜けたことを嬉しく存じます。最後のみなさまのご挨拶も心が熱くなり、思わず涙が止まらず、母と拝見していたのですが、二人共々こんなに泣いてしまったのは初めてでした。米吉さんの立役を初めて拝見したのですが、とても男らしく正直大変驚き…女形のお役の時の可愛さはどこへ…。是非立役のお役も今後拝見したく存じます。
    セリフ一つ一つに重みがあり、お父様の演技とどこか似ていらっしゃって、引き継いでいらっしゃるな…と勝手ながら感じておりました。そして毎日行われていたInstagramLive配信での米吉さんの話術がとてもとても面白く、演じている際とは全く違うお姿を拝見でき幸せでした。引き続き陰ながら応援しております。ゆっくりお休みを満喫し、ご自愛くださいませ。

    • お返事遅くなってしまってごめんなさいm(_ _;)m

      そんな風に見てくださると、本当にありがたい気持ちでいっぱいになります。
      感謝の涙を流すべきは我々です!!

      立役でもこういった白塗りの優しいお役は今後とも学ばせていただけたらな、と思っている役柄です。

      インスタライブでは自由自在にさせていただきまして、失礼しました。
      私の化けの皮が剥がれましたね(笑)

      お陰様でめでたく千穐楽を迎えることができました。
      本当にありがとうございました!

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