三月花形歌舞伎も間もなく千穐楽。
本当にあっという間の2週間でした。
今回、一日替わりで勤めさせて頂いたのが『四の切』の源義経。
あの、源義経です。
『義経千本桜』タイトルロールの義経です。
「判官贔屓 」という言葉が示す通り、昔から日本人に愛され、歌舞伎芝居の中でも義経という人物は特別な存在で、あるような気がいたします。
源氏の御曹司としての品格、御大将としての大きさなど、動きも少なく、ただそこに居るだけであらゆるものが求められるお役なのだと感じます。
拵えは貴人の部屋着である小忌衣を着た悠然とした姿です。
人生二度目の小忌衣!
前回は『加茂堤』の斎世親王 でした。
たった一年前ですが、あの頃が懐かしいですね…
今回、古典の大きなお役では初めて父にお役を教えてもらいました。
日頃から折々に指摘や、アドバイスを貰いはしますが、お役を教わったのは今回が初めてです。
父から教えを受けられたことは、自分としてはとても嬉しく、大切にしたく思っています。
教えてもらったことが、中々出来ない不肖の息子ではありますが……
父のやり方は、先代門之助のおじさまや、宗十郎のおじさまのなさっていたやり方で、脇息を前に置くタイミングが、怒ったときではなく、静の様子を尋ねる時になります。
正確な所はわかりませんが、聞くところによりますと、 十五代目市村羽左衛門さんの型である可能性が高いです。
僕の初舞台の際に出ていた『四の切』で、そのやり方でなさっていた宗十郎のおじさまの風情がどことなく目に残っています。
そんな、義経さんですが、先月の舞鶴 さん同様、自分の紋が好きなタイプです。
まずは刀。源氏の家紋である笹竜胆があしらわれています。そして、中啓。
こちらも笹竜胆が散らされています。
とはいえ、僕のやり方ですと開きませんので、全くお客様に見ていただくことはできないのです(^_^;)
先月もそうですが、こういった細かなところにも心を配るのが歌舞伎の繊細さですね。
今月は義経が四人おりまして、それぞれにそれぞれの義経をご覧頂きました。
やり方や、台詞、雰囲気がそれぞれ違いますが、見た目として違うのが衣装の小忌衣。四者四様に個性があって素敵です!
義経は、憧れは抱きながらも、多分機会に恵まれることはないだろうと思っていたお役でした。
8回しか勤められなかったことは残念ですが、残り一回を大切に、生意気な言い方ですが、右近さんの忠信を見守らせていただきたいと思います。
最後に、私の恋人をお目にかけます。
壱太郎兄さんの静御前と!
奇数日は昼夜で恋人でしたが、1日のうち同じ芝居で、性別変えて相手役を勤め合うなんて経験なかなか出来ませんね!
米吉でした。
公演の貴重な舞台裏話を伺えて嬉しいです。
四者四様の義経のお衣装(○_○)!
こうしてズラっと並んでいるところなど、なかなか見れないので拝見させて頂き嬉しい限り!
米吉義経も米吉静御前も、とても素敵です~舞台写真買わねば(*^^*)
そして、普段はあまり感じないのですが、義経(男性役)の米吉さんは歌六さんに似てらっしゃいますね。
今回お役も歌六さんにならったという事で、米吉さんにとって良い&大切な経験になったのではないでしょうか。
この御時世ですから、劇場大入りとはなかなかならないのが客側としても心苦しい限りですが、千穐楽まで無事のおつとめをお祈り申し上げます。
お返事、遅くなり申し訳ありません!
一度にこんなに小忌衣が揃うこともそうないですし、義経というお役の雰囲気にあった小忌衣が揃うとなると、本当に珍しいことだと思います。
舞台写真は4月末まで販売しておりますので、何卒よろしくお願いいたします!
父からお役を教えてもらえたことは、自分自身の大切な財産として持っていきたいと思います。
お陰様で千穐楽を終えることができました。
ありがとうございました!
ブログには久しぶりにコメント致します。
米吉さんの義経、本当に素敵でした。番頭さんに激推しされてチケットを追加して本当によかったです。よろしくお伝えください(笑)
今回の南座、同じ演目を昼夜役替りでという試み、最初はマニアックだなとちょっと思ったんですが、いい試みでしたね。吉野山も四の切も今まで色々見てきましたが、同時期に違う型のものを観ることで、はじめて気が付くことが沢山ありました。
特にこの義経。義経だけに注目して見ると言うのは実ははじめてだったので、忠信の台詞を聞くうちに段々表情が険しくなってくるところや、最後に鼓を与える時、微笑みこそしないけどどことなく優しさが伝わってくるところ等、義経の心情が伝わってきて感動しました。
先に他の方の義経を見ていたので、脇息を前に置くタイミングが違うことにも気が付いたのですが、日が経つにつれてあれは見間違いだったかなと自信をなくしかけていたので、合っていたことがわかってちょっと嬉しいです(笑)
あっという間に千穐楽まであと一日ですね。
ちょっと寂しい気がしますが、また東京で米吉さんの義経を拝見出来る日を心待ちにしています。
お返事遅くなってしまって、申し訳ありませんでした。
久々のコメントありがとうございます。
そんな風に仰って頂き、お恥ずかしい限りです。
思い返せば、8回しか勤めることができておりませんし、まだまだ勉強が足りていないと最後まで感じておりました。
今回はABプロに加え、奇数偶数での役替りとややこしいプログラムでした。
とはいえ、その形態は今回本当にうまく作用し、公演そのものを盛り上げ、我々にとっても大変な勉強となりました。
またこのような機会に恵まれる事ができましたら、本当に嬉しいなと思っています。
お陰様で千穐楽を無事に迎えることができました。
ありがとうございました!!
私は、今回初めて、米吉さんの立役を拝見しました。
タイトルロールの義経、動きが少ないですが、ただそこに居るだけで、品格、御大将としての大きさを感じました。
お父様から教えを受けられた米吉さんと同様に、お役をお教えになられたお父様もきっと、とても幸せに感じられた事と思います。
刀などに、源氏の家紋があしらわれている事や、四人の義経それぞれのやり方や、台詞、お衣装が違う事にも驚きました。
歌舞伎初心者としては、全てを気付くのは、難しいですが、自分なりにいろいろ気付き、楽しめました。
歴史ものだとその前の事が分からないと、理解し難く、敬遠しがちになりますが。
『歌舞伎の魅力』の様な解説があると、すうっと話しに入っていく事ができます。
今回の『三月花形歌舞伎』で、より歌舞伎が好きになりました^ ^
返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。
父としては歯痒く、イライラしていたと思います‥(^_^;)
諸先輩方の義経が何もしていないようで、そこにしっかり義経として存在している舞台を拝見していましたので、その凄さを痛感いたしました。
衣装はきっと全く同じものは4つありませんので、4通りの物が用意されたのだと思います。
また、基本的に壱太郎兄さんと右近さんの衣裳屋さんと僕と橋之助君の衣裳屋さんの会社が違いますので、そこの部分でも違いが生まれている可能性もあります。
そうおっしゃって頂けると、歌舞伎の魅力も浮かばれます!
桜も満開で、春のあたたかさとうららかさを感じられるようになりましたね。それぞれのお役のお話、ありがとうございます。拵えのお話は、大変興味深く、そうなってたのかとまた見たくなりました。
ロスという言葉よりも自分にとっては、観に行けたことの喜びが大きく、本当に行けて良かったなあと思いました。
いろいろ新たな試み、創意工夫があって、お客様を楽しませようとしてくれているのが、舞台からも伝わってきてとても楽しませてもらいました。
米吉さん、橋之助さんお二人のふんわりやんわりとした雰囲気、とても好きでした。一日でそれぞれのコンビの舞台を観劇出来て、それぞれの違いを観れることは、自分が思った以上に楽しく、うれしいことでした。3パターンしか拝見出来なかったので、もう1パターンは、どんなだったのだろうかと観たかった気持ちでいっぱいです。歌舞伎の魅力もそれぞれのいろがあって楽しく、お役では義経が思ったよりも違いがありびっくりしました。もう一回見比べてみたかったです。南座の劇場の中の桜もきれいで、入るだけで笑顔になってしまいました。南座で少し早く素敵なお花見ができて、しあわせな気持ちになりました。
みなさまのインスタライブでの発信などもうれしく、遠くにいても身近に思えてとても楽しい2週間でした。ありがとうございました。みなさまの想いが届いて素敵な千穐楽になられたようで、本当に良かったです。
また、米吉さんの次回の舞台を楽しみにしております。また、来年の花形歌舞伎も期待してます。
お陰様で無事に千穐楽を迎えられました。
本当に皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
橋之助君とこうしてしっかり組んでやらせていただいたのは初めてでしたが、私としては彼とやらせていただけて本当に良かったな、と感じています。
お互いにお互い、支え合いながらの2週間でした。
彼にも心から感謝を伝えたいと思います。
こんな公演は、本当に珍しく、皆様に支えられて楽しく日々を勤められました。
キレイな思い出にせず、しっかりと糧にして前に進んで参りたいと思います。
本当にありがとうございました!