毎年言っている気がしますが、早いもので今年も残りわずか。
皆さんどんなクリスマスをお過ごしでしたか?
もちろん僕はクリスマスもお芝居です。
今月は国立劇場で上演中の通し狂言『増補双級巴 ー 石川五右衛門 ー』に出演しております。
皆さんご存じ天下の大泥棒、石川五右衛門。
五右衛門を題材にしたお芝居はいくつかありますが、それらを繋ぎ合わせまとめたものがこのお芝居なんだそうです。
その中で僕は序幕の壬生村の段に出てくる 小冬 のお役を勤めさせていただいております。
貧乏を表す肩入れの衣装に、頭は銀杏返しで、分かりにくいですが太めの愛嬌ジケが左側についていて、幼さを強調しています。
壬生村の次左衛門の娘で、友市こと、五右衛門の妹にあたるのがこの小冬ちゃん。
母親の遺した大切なお雛様を売り払って掛の帳を消し……
その昔兄の持ち逃げした金を返さなくてはならない目を病んだ父のために、島原の遊里に身を売る、健気な娘さん。
形見の守り袋に母を想い嘆いている所に、3才の時に生き別れた兄がお坊さんになって帰って来るのですが、その兄が実は大泥棒石川五右衛門だったのです……!
という感じのこの壬生村の段、今回70年ぶりの上演です。
前回この小冬のお役をなさっていたのはもしほ時代の十七代目の勘三郎のおじさま。
そういった大きなお役を一年の締めくくりのに勤めさせていただけて、とてもありがたく思っております。
父と実の親子のお役をさせていただくのも昨年3月の『岡崎』以来ですので、それも嬉しいですね(^ー^)
日々、少しでも健気で、いたいけに、皆さんに哀れんで頂けるように儚く散りたいなと思いながら勤めております。
こちらは小冬が父に読み聞かせる石川五右衛門の手配書。
兄の正体を聞き、驚いた小冬はこの手配書をお米を炊いているお釜の中に落としてしまいます。
これが釜茹での刑に処される五右衛門の未来を暗示しているんでしょうね(・-・ )
ちなみに、その仕掛けのためにこの手配書は水で溶ける特殊な材質なんです!
お釜の中に水の入ったボウルみたいなものが入っていて、その中に落とすとゆっくりと水に溶けて無くなっていくという仕組みなんですよ( ̄ー ̄)
あ、トイレットペーパーではありませんから!(笑)
そんな今月も本日千穐楽。
一年の締めくくり、精一杯勤めて参りたいと思います!
思い返せば今年は今月含めて三回殺されました……
来年は何回この世を去ることになりますやら…
来年もご期待ください(笑)
米吉でした
つい先日、国立劇場で拝見しました。
本当にいじらしく可愛らしいお嬢さんで、母共々見惚れておりました。^ ^
国立劇場での舞台は長丁場が多いので、きっと出演される皆様も力加減が大変ですよね。
でも年の瀬に質の高いひと時を過ごさせていただき、本当にありがたかったです。
お父様共々、益々のご活躍を楽しみにしております。
良いお年をお過ごしください。
国立劇場ご観劇ありがとうございましたm(_ _)m
お母様もお楽しみいただけたようで何よりでございます。
国立劇場は近年は主に通し上演が多く、貴重な経験をさせていただいています。
どうぞよいお年をお迎えください!
千穐楽おめでとうございます!
先週末拝見しましたが、健気な小冬ちゃんが可哀想で可哀想で…
美人薄命なのですかね(;o;)(;o;)
歌六さまの次左衛門も本当に本当に素晴らしかったです!!
釜は水で溶けていたのですね!
煙もたくさん出てくるし紙も無くなっていくしで、どうなってるのか不思議に思ってました。。。
殺されてしまう役も多かったですが…
今年も色々な米吉さんを拝見できてとても素晴らしい1年でした!
先日のお食事会にも参加させていただき、皆さまと直接お話ができて幸せな年末となりました(*^^*)
来年も皆さまにとって素敵な年となりますように☆*:.。. ・:*
ご観劇ありがとうございましたm(_ _)m
美人かどうかは分かりませんが、儚い命でございました……?
釜の下に煙を出す機械が入っていて、僕が紙を落とす少し前には白い煙が出るように、袖でお弟子さんがタイミングを見計らい、ボタンを押してくれていました!
先日の食事会でもありがとうございました(^ー^)
来年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
よいお年をお迎えください!
ひと月ぶりのブログ更新、嬉しく拝見しました。師走の気ぜわしい中、いっとき、小冬ちゃんの、健気な可愛いらしさに癒されました。12月、1月は、米吉さんの舞台を観に行くことがかなわず残念ですが、1/12~シネマ歌舞伎が新潟でも上映されるので、スクリーンで観る米吉さん「千姫」を楽しみにしています。2月歌舞伎座夜の部は、當年祝春駒の米吉さん演ずる「大磯の虎」を観に、歌舞伎座に、絶対行こうと思っています。お体お大事に、舞台頑張ってください。
何だか月報のようになってしまっていてお恥ずかしい限りです(・_・;
このブログをご覧になられて、少しでも楽しい一時を過ごせていただけているのなら幸いでございます。
来月の歌舞伎座での大役をご覧いただけず残念ですが、また二月にお目にかかれますのを楽しみにしております(^ー^)
シネマ歌舞伎もお楽しみになってくださいね!
明日には、年が明けていると思うと、本当に早いですね。
壬生村の段が70年振りなのが、意外に感じられるほど、内容が濃くて哀切に満ちていて、私は、とても好きな段でした。
小冬ちゃん、お兄さんとの再会、お父さんが出迎える姿は、とても愛らしく、母のことを想い、また売られていく先のことを案じて怖がりながらも受け入れている姿は、いじらしかったです。死に際の台詞の健気さは、やっぱりぐっときてしまいました。出番は、短いですが、表情豊かなお役で魅力的でした。
歌六さんとの親子役もとてもうれしかったです。岡崎以来なのですね。あちらの娘さんも可哀想でしたね。
次左衛門さんが友市の後を、引き止めようとする幕切れは、とても心に残るものでした。序幕で悲しさに満ち溢れてしまいました。
今回も死んでしまうのだなあと思ったのですが、3回よりももっと多い気がしてました。印象的な死に際が多いからでしょうか。でも一番、仲睦まじいお父さんに殺されるのが悲しいですね。その後のおたきさんの死に際もせつなく、小冬ちゃんの死と同じく残る人達に対しての優しさのある台詞は、心の中に染み入りますね。
お釜の仕掛けそうだったのですね。煙も気になってたのですが、スイッチを押してなのですね。
大好きな座組での芝居納め、とても幸せでした。
お話の中で殺されるのは、やっぱりドラマチックだったりするので、来年もそういうお役も観たいなあと思ってしまいます。
来年も歌六さん、米吉さんの舞台を拝見出来るのを楽しみにしております。米吉さんの初菊のお役、とてもうれしいです。初日から拝見させていただきます。
コメントが昨年中にお返しできず申し訳ありません。
昨年中はありがとうございましたm(_ _)m
壬生村の段は元々は木下蔭狭間合戦という作品の一段であったそうです。
歌舞伎でも相当久々ですし、文楽の方でも素浄瑠璃の音源が一つだけ残っているだけで上演はされていないんだとか。。。
それだけ珍しい段なんですね。
父と親子というのはそれほど多くなく、今年もどこかで親子の役をさせていただけたら嬉しいです!
お釜の仕掛けはお釜の造りから、小道具さんが工夫をしてくださり、ああいう形で上手いことまとまりました。
本年も相変わりませぬお引き立てのほど、よろしくお願いいたします!