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米吉ブログ

虎と梅

 


二月も今日まで!

駆け込みでブログを更新いたします(笑)

 

お陰さまで二月大歌舞伎も千穐楽まで勤め終えることができました。

ありがとうございましたm(_ _)m

 

今月の歌舞伎座は先代辰之助のおじさまの三十三回忌のご追善。

僕はその中で『當年祝春駒』の 大磯の虎 のお役を勤めさせていただいておりました。

富士山を望み、梅の香る中で酒宴を催している工藤祐経の許へ、新年を祝う門付けの春駒売に身をやつした曽我兄弟がやってくるという、華やかでお目出度い舞踊です。

ちょうど一年前、高麗屋さんの襲名興行の序幕に『春駒祝高麗』という題で上演された際には化粧坂の少将 を勤めさせていただいておりましたが、今回は大磯の虎 と、位を上げて頂きました!

そんなこの一幕は、追善狂言とは銘打っておりませんでしたが、辰之助のおじさんのお孫さんである左近くんが 曽我五郎 を勤めていましたので、細部に追善の気持ちが込められていたんです。

下の写真に少し写っていますが、市松模様の書き割や、山台の地方さんの裃にも松緑さんのお家の紋が入り、長唄の文句にも「」という言葉が織り込まれたりと、おじさまを偲んでの一幕となっておりました。

さて、曽我十郎の恋人で、いわば立女方の役柄であるこの大磯の虎

兵庫の髷に衣装は胴抜きに打掛、鮟鱇帯といった拵えで、打掛けも黒地に滝が流れ、桜と紅葉が彩る、大変に華やかなものです。

なるだけ立派に、傾城としての格を大切に背伸びをして勤めようと心がけておりました。

以前一度だけ『対面』でも勤めさせていただきましたが、是非そちらもまた勤めさせていただきたいものですね。

今月お祖父様の追善という大舞台で立派な五郎 を勤められた左近くんが『対面』の方を勤められる日もそう遠くないでしょうし、その時またご一緒できたらこれほど嬉しいことはありません。

ちなみに、『対面』では髷が下げ髪になり、帯がまな板帯になります。

以上豆知識でした(^^ゞ

 

と、お芝居のお話だけでもなんですから季節を感じる写真を……

お稽古帰りに見かけた四谷の梅です。

東京の喧騒の中にもこんなに綺麗な梅が咲いているんですねー

ほっこりとした気分になりました( ´ー`)

でも……

四谷の梅 って書きますとなんだか背筋がスーっと冷たくなりますね……((゚□゚;))

 

 

 

米吉でした。

初菊

26回目

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コメント

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  • コメント (19)

    • y
    • 2019年 3月 01日

    久しぶりにコメント致します!
    二月大歌舞伎、お疲れ様でした
    という間に三月ですね♪
    がらっとかわって今度は立役四天王…
    こちらも楽しみです(^^)

    春駒の大磯の虎を拝見して、浅草の対面のときに
    比べて随分とお姉さんになって、またより美しくなら
    れて…と感慨深かったです~あのときも少将は梅丸さんでしたね…当時は大磯の廓はロリータ専門?f(^_^)とつい思ってしまいましたが先月は大磯の廓は美女揃い♪と常連客になりたい気分でした(^^)

    また先月夜の部は歌六さんのおかげでお芝居がより充実してるということを実感させられました!弥陀六も魚惣も最高でした♪素晴らしい舞台をありがとうございました!

    四谷のお梅さんならぬ紅梅、綺麗ですね♪
    来月もお元気でお勤めくださいませ(^^)/

    • 久々のコメントありがとうございます!

      早いもので今年ももう三月目、あっという間に一年が過ぎるのではと今から恐ろしいです(笑)

      浅草での対面もご覧くださったんですね!
      あのとき私はまだ10代でした……
      ということは梅丸も高校生とかですから、とんだ傾城だったですね(–;)
      外見だけでなく内面も少しは成長できていると良いんですが……

      今月もお待ちしております!!

    • りお
    • 2019年 3月 01日

     2月の舞台お疲れさまでした。
    大磯の虎のお写真とても綺麗です。いつも、髷、衣装、帯の説明を付けてくださり、舞台を観ているだけではわからないことも多いので、興味深く読んでいます。
    先日、友人との集まりに、米吉さんのブロマイド帳を持参したら、歌舞伎に興味のある人、そうでもない人、とも、みんな喜んで見てくれました。友人らには、h29年10月、唐人話の「名山大夫」のブロマイドの人気が高かったです。私も、あの丸山遊女の打掛は豪華で、ピンク色の衣装は、米吉さんにとてもお似合いだったと思います。
     3月23日、昼の部、良い席がとれたので、米吉さんの「銀杏の前」楽しみにしています。

    • きちんとした説明でなく、ざっくりとした説明でお恥ずかしい限りです(^_^;)

      名山太夫は長崎丸山の遊女ですから、豪奢な衣装が身上なんです!
      頭の飾りもじゃらじゃらと大袈裟ですし、パッと見た感じ、とても華やかですよね( ´ー`)

      23日、お待ちしております!

    • よし
    • 2019年 3月 01日

    2月も無事に千穐楽を迎えられおめでとうございました。

    本当にお美しい大磯の虎で、凛としたお姿はもとより、しなやかなゆったりとした動きもすごく素敵で、すっかり恋に落ちてしまいました(*ノωノ)
    追善としって長唄にも辰の文句が入っていたのですね~目で見れるものはだいぶ気付けるようになってきたつもりでしたが、もう少し耳を鍛えなければ!
    左近君もきりりとしたそれはりりしい少年ですね!米吉さんのおっしゃるように対面での五郎も拝見したい!!その時の大磯の虎はもちろん米吉さんで!!!

    2月は歌六さんも大活躍で弥陀六、魚惣すごくよかったです!すごく、充実したお芝居を拝見させていただいたなあと思う2月でした。

    もう世間は春めいてきていますね。素敵な梅の花!春を待つように3月歌舞伎座も心待ちにしています。
    特に3月傾城反魂香の高島館の場は私にとっては初見です、どんなお話かを含め米吉さんの銀杏の前を楽しみにしています。

    • お陰さまで2月も終えることができました。
      ありがとうございましたm(_ _)m

      襲名や追善では多少融通の効く作品ですと台詞や唄の文句に縁の言葉をいれることが結構あるんです。
      なかなか耳で聞いているだけですと分かりにくいですよね。
      字にするとすぐに気づけるんですよねー

      左近くんも立派に追善の舞台を勤められ、素敵な五郎だったのではないかと感じております。
      きっと彼が五郎を勤める頃には若くて綺麗な女方さんがその相手を狙っていることでしょうから、僕みたいな年長者は出してもらえないかもしれませんね(笑)

      また今月も珍しい高嶋館、どうぞお楽しみに!
      お待ちしております(^ー^)

    • アントニア
    • 2019年 3月 02日

    2月の大磯の虎を拝見して、貫禄もあり、凛として美しくて、とても感動しました。
    改めてブログのお写真で見ると、目元のお化粧がとてもキリリとしていて、普段の可愛い◯れ目さんとは、また違う印象です。「貫禄」を感じた一つの理由はそこにもあるのでしょうか?
    亡くなられた辰之助さんのファンだったので、お孫さんの左近君が曽我五郎を務める程成長された事に、感慨を覚えます。

    • 先月の虎は少し化粧や羽二重でキリッとさせるように心がけておりました。
      どうしても目が垂れておりますから間抜け顔になりかねませんので(笑)

      先代のおじさまをご贔屓だったのですね。
      映像や写真でしか拝見できておりませんが、とても素敵な役者さんで、今お元気だったらどんな舞台をなさっていたのか今更ながらに悔やまれてなりません。
      当代の兄さんを経て、左近くんその後を必死に追い続けていくんでしょうね。

    • 雲丹
    • 2019年 3月 02日

    米吉さんの大磯の虎と梅丸さんの化粧坂少将 、気高く華があり眼福でした。
    鮟鱇帯、形がリボンのようで可愛いですね。
    『対面』を観られる日を楽しみにしております。

    • ご観劇ありがとうございました!
      リボンのよう、といわれると確かにそうですねー
      鮟鱇と言う名前の通り、きっとお魚に似てるから、ということなんでしょうが、そう思った方がかわいい感じがしますね(笑)

      虎ではありませんが、少将を五月に勤めさせていただきます!
      よろしくお願い致しますm(_ _)m

    • あずさ
    • 2019年 3月 02日

    初めてコメントします。
    米吉さんの『大磯の虎』とっても美しかったです。まだまだ歌舞伎初心者ですが、凛とした表情に傾城の大きさみたいなものを感じました!3月の歌舞伎座も楽しみにしています。

    • はじめまして!
      コメントありがとうございます!

      そんな風に仰って頂けてうれしいです(^ー^)
      また3月も歌舞伎座でお待ちしております!

    • おの
    • 2019年 3月 02日

    初めてコメント失礼させていただきます。
    もう先々月になってしまったのですが、1月に初めて米吉さんが出てらっしゃる舞台を拝見させていただきました。歌舞伎は最近好きになって、ずっと米吉さんの出てらっしゃる演目が観たいと思っておりました。学生で、地方住みなのでなかなか足を運ぶことが出来なかったのですが、今回見に行くことが出来てとても嬉しかったです。本当は前回のブログでコメントさせていただければ良かったのですが、千穐楽に観に行かせていただきましたのであっという間に2月になってしまい、コメントする時期を逃してしまったのでこちらで失礼します。
    出てきた瞬間舞台上がぱっと華やかになるような、美しく可愛らしい初菊にとても引き込まれました。そんな明るさとは反対に、登場する人々みんなが辛い思いを背負っていて、とても悲しいお芝居でした(TT)なんと言っても初菊が、大切な人と長く一緒に居られないなんて…と本当に可哀想で仕方ありませんでした。ですが思いを決めて十次郎の力になろうと努力する姿がとても健気で、それをもまた、とても悲しかったです。歌舞伎に出てくる女性達はみんな、大切な人のために自分を捨ててでも奮闘していて、そんな健気で一途な歌舞伎の女性像が本当に大好きです。また、今月の大磯の虎はお写真でしか拝見できなかったのですが、いつもの可愛らしいお姿とは打って変わって、とても美しくなっていらっしゃって驚きました。
    米吉さんの阿古屋がいつか拝見できること、本当に楽しみにしております!(笑)乱文長文大変失礼致しました。

    • チカ
    • 2019年 3月 03日

    大磯の虎の米吉さん、とっても色っぽくて素敵です。
    着物の紅葉も素敵ですね。
    四谷の梅も、春満開で嬉しくなりました。
    梅に目を留める米吉さんのセンスが素敵です。

    3/23土曜、歌舞伎座昼公演、念願の一等席で拝見させていただきます。銀杏の前の米吉さんに会えるのが今から楽しみです!お誕生日月に拝見できて嬉しいです。
    楽しみにしています♪

    • たえちゃん。
    • 2019年 3月 04日

    すっかり春めいてきました。

    華やかな大磯の虎のお姿をアップしていただき、ありがとうございます。
    繊細な衣裳も、はっきりわかり感激です。

    二月は席がイマイチの上(遅かった)、オペラグラスを忘れ、悲しい思いをしていたんです。

    お正月は風邪をこじらせて、初芝居、全滅。涙、なみだ。
    (今回タワーで初菊さんのブロマイド、ゲットして少し気を取り直す)

    三月は8日!!に、昼、夜、全部見ます!
    すごく、楽しみです。

    p.s. ①虎と梅(丸)かと思ったら、本物の梅でしたね。(笑)
    ②若い頃、3人の中で一番贔屓だった
    辰之助さんのお孫さんのご成長が見られてうれしかったー。時の流れ

    • 大分暖かくなってきましたね(^ー^)

      なかなか舞台上の姿だけですと本当に細かいところまでは分かりにくいですもんね。
      一月にお風を召されたとのこと、災難でしたね……
      季節の変わり目ですから、油断なりませんし、まだまだお気を付けられてください。

      また8日に歌舞伎座でお待ちしております!

      追進
      あー!
      梅丸!!!(笑)
      そういうパターンもあり得ましたね

      辰之助のおじさまは映像、写真でしか存じ上げません。
      左近くんはそのおじさまの面影をどことなく感じさせるものがあったような気がいたします。

    • たえちゃん。
    • 2019年 3月 05日

    春めいてきましたね。

    とても華麗な大磯の虎のお姿、アップしていただいて
    ありがとうございます。
    繊細な衣裳も細かいところまではっきりわかって感激です。

    観劇当日、席が良くなかった上、
    (二月は遠征無しのつもりで、ゲットが遅れました)
    オペラグラスを忘れ、悔しい思いをしたのです。

    お正月、風邪をこじらせ、初芝居全滅!涙、涙。
    (二月にタワーで初菊さんのブロマイドを手に入れ、気をとりなおしましたが)

    三月は8日!! 昼、夜全部見ます。
    とても楽しみです。

    P.S. ①虎と梅(丸さん)かと思ったら、本物の梅だったのですね。(笑)
    ②若い頃、3人の中で一番、辰之助さんがお気に入りでした。
    そのお孫さんの立派なお姿に涙です。しみじみ時の流れ感じます。

    • chie
    • 2019年 3月 07日

    雨の日が多くなってきましたね。春の長雨かなあと思うと、雨もうれしくなりますね。

    大磯の虎、とても美しかったです。華やかな一幕で、せりから上がってくるときのあの場内の高揚感は、やっぱり良いものだなあと思いました。

    米吉さんが雲の絶間姫を演じられた時に、予習に観た映像で辰之助さんが鳴神上人を演じておられました。とても素敵で観ることが出来ないのがとても残念でした。
    左近さんが凛々しく演じられてるのを拝見していると、これからのお役がとても楽しみです。

    四谷の梅きれいですね。四谷怪談のお梅さんのことかなあと思いながら、まだまだ歌舞伎初心者なので、すぐに連想出来ませんでした。
    これからもいろいろ衣装のことやお話をブログで教えていただけたらうれしいです。豆知識、あとで見比べるの楽しみです。

    銀杏の前、まだ拝見したことがないのでどんなお役が楽しみにしてます。

    • 数日雨が続きましたね。
      乾燥した冬の終わりとなれば嬉しいのですが。。。

      辰之助のおじさまの鳴神の映像をご覧になったんですね!
      そういった豪快なものから少し影のあるお役まで素敵なお役が多いですよね。

      左近さんもきっとそのおじいさまに憧れ、目指していく事になるんだと思います。

      四谷の梅はもちろん四谷怪談のイメージです(笑)
      一応その時のブログをリンクしておきましたのでよかったらご覧ください( ´ー`)

      今月もお待ちしております!

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